日立評論に見る1980年代のテスト技術

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 Software Testing “ManiaX” vol.6 の秋山さんの機能図式の記事を読んでいるときにふと「そういえば機能図式って日立評論にも載ってたよなぁ」と思い出し,ネットで検索してみたところデジタルアーカイブ化されていました。

 機能図式とAGENTについては1984年3月号に掲載されていますが,実はこの1980年代の日立評論には当時の日立で実用化されていたテスト技術についていくつか紹介されています。
というわけで,目次レベルでざざっと紹介してみることにします。

 ちなみにこの日立評論は登録すれば日立グループ以外の方でも無料で見ることができますので,興味ある方は参照してみてくださいね。

★日立評論デジタルアーカイブ
  http://www.hitachihyoron.com/digital/

■1979年12月号
 日立製作所のシステムテストおよび検査で利用されるSST(System Simulation Tester)についての論文が掲載されています。

  ・高信頼性システムを実現するための専用設備”SST”

■1980年12月号
 この号から明確に「ソフトウェアのためのテスト」という文脈での論文が掲載され始めます。
その他,PADや要求分析技法PPDSについての論文も掲載されています。

  ・制御用ソフトウェア機能一貫テストシステム”HITEST/F”

■1984年3月号
 この号は「ソフトウェア生産管理特集」とされ,日立評論初のソフトウェア技術のみでの特集号です。
このとき,機能図式とAGENTについての論文が掲載されています。野木さん,古川先生,そして保田先生とすごいお三方による共著です。
その他,テスト実行のためのシステムやオンラインデバッグのシステムの論文も。
この当時,すでにこういったものはツール&システム化されていたのです。

  ・ソフトウェアテスト技術とその動向
  ・ソフトウェアテスト項目作成支援システム
  ・マイクロコンピュータ用会話形テスト支援システム”HITS”
  ・オンラインデバッグ支援システム”HITEST-DEMO”

■1986年5月号
 この号ではPADがたくさん取り上げられていますが,個人的にはなんといってもSQE(Software Quality Estimation System)です。
著者の古賀惠子さんに初めてお会いしたときには本当に感激したことを今でも思い出します。
その他,「ソフトウェア生産技術の最近の動向」では,ソフトウェア品質尺度やレビュー支援システムについて触れれられています。それからその当時のメソドロジであるICASについても紹介されています。
この当時の品質保証部の強さ,をうかがい知ることができます。

  ・ソフトウェア生産技術の最近の動向
  ・ソフトウェア品質評価システム”SQE”

 以降は特集が組まれなくなったため,テスト・品質技術についてはあまり触れられることがなくなりましたが,こうした資料から知見を得ることは非常に大切ですね。今回は触れませんでしたが,品質保証についても様々な知見が得られる論文もあります。それから,日立の品質文化に大きな影響を与えた馬場博士の寄稿も読むことができます。

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コメント

  1. おーのさん より:

    この後、CASEツールなどのプログラム作成の自動化の方向に皆走っていったんですよ。だから、ないの。

  2. いけどん より:

    そうですね。でも,先日JaSSTで受賞したりとかありますから,また企画してほしいですよね。