ソフトウェア品質シンポジウム2009(2日目)

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昨日に続いて二日目の感想です。
二日目は以下を聴講。

  • 「ル・マンで体験、工学の楽しさと奥深さ ?課題突破力を創造する新しい工学教育?」林義正(東海大学 総合科学技術研究所 特任教授)
  • 「テスト管理の課題とその解決に向けた取り組み」小笠原秀人(東芝)
  • 「ソフトウェア開発におけるテストスイートの品質特性の提案」加文字諭(電気通信大学大学院)
  • 「Pairwise法と制約表による制御パステストのテストケース自動生成」鶴巻敏郎(岩通ソフトシステム)
  • 「WEBシステムにおける画面遷移図表 表記法の提案と効果的なテストケースの作成 」大友貴司(キヤノンITソリューションズ)
  • 「表計算ソフトによるモデル検査の試行」野村卓司(三菱電機システムサービス)
  • 「C言語からPromelaを生成する変換機とその事例の紹介」服部彰宏(富士ゼロックス)
  • 「ソフトウェア技術者 ・管理者人材の育成とSQiPシンポジウムの役割」パネル司会:大場充(広島市立大学大学院),パネルメンバー:今井良彦(パナソニック アドバンストテクノロジー),富野壽(構造計画研究所),西康晴(電気通信大学)

■「ル・マンで体験、工学の楽しさと奥深さ ?課題突破力を創造する新しい工学教育?」林義正(東海大学 総合科学技術研究所 特任教授)
実にいい話で,途中のビデオは感動してウルッときてしまいました。
いろいろとあるのですが,「エンジニアリングの冷徹さ」や「問題をクリエイトして対策する」,「プロ意識を持たせるには責任を与える」,「一週間に一度水揚げ」,「多くの相場値を知っておけ」,「人よりも一億多く稼ぐには次の三つがあればいい。気がきくこと,明るいこと,声が大きいこと。」といったキーワードは思わずメモを取ってしまいました。
にしても,かっこいいなぁ。自分で稼いだ金を学生の成長のために投資できるなんて。自分もそうありたい。
■「テスト管理の課題とその解決に向けた取り組み」小笠原秀人(東芝)
予定の発表がキャンセルとなってしまったため,急きょ発表されたとのこと。途中でPCがフリーズするなどのトラブルも多く,かなり発表は駆け足に。もっとツールのことを聞きたかったです。
■「ソフトウェア開発におけるテストスイートの品質特性の提案」加文字諭(電気通信大学大学院)
WACATEの実行委員としてご協力いただいている加文字君の発表。品質特性と副特性は多すぎる印象。もっと整理が必要。そうでないと長大なチェックリストの範疇は越えられないし,使ってもらえないと思う。ただ,学生のころにこれだけ品質というキーワードに向き合っているのはいいことだと思います。来年社会人となるわけですが,この経験と視点は絶対に役に立つと思います。採用した某社がうらやましい。
■「Pairwise法と制約表による制御パステストのテストケース自動生成」鶴巻敏郎(岩通ソフトシステム)
TEFでもおなじみの鶴巻さんによるツールの説明。発表というよりはチュートリアルのような感じでしたね。詳しく知りたい方はツールを試してみるといいと思います。
■「WEBシステムにおける画面遷移図表 表記法の提案と効果的なテストケースの作成 」大友貴司(キヤノンITソリューションズ)
昨年のSQiP研究会テスト分科会で研究された内容。3月の発表会で発表され,賞をとった研究ということで,今回の発表となったようです。
この提案のいいところは導入した場合に,現場の作業がどのように変わり,どのような効果があるか想像しやすいこと。しかもツールも提供されており,導入への敷居が低い。すぐにでも導入に取り掛かることができるレベルであることだと思います。発表もわかりやすくて,説得力がありましたね。
■「表計算ソフトによるモデル検査の試行」野村卓司(三菱電機システムサービス)
書籍を基に取り組んでみた,という内容。Excelに状態遷移図を書き,それをPromelaに変換という手順。シートの作成手順は参考になるだろう。ただし,ツールを購入した場合と内作した場合のコストの比較や定量的・定性的な評価が薄かったので,そこがちょっと残念。
■「C言語からPromelaを生成する変換機とその事例の紹介」服部彰宏(富士ゼロックス)
CからPromelaに変換するシステムを開発導入したとのこと。C言語からっていうのは組み込み系で使い道が多いと思います。もう少しじっくり話を聞きたかったなぁ。
■「ソフトウェア技術者 ・管理者人材の育成とSQiPシンポジウムの役割」パネル司会:大場充(広島市立大学大学院),パネルメンバー:今井良彦(パナソニック アドバンストテクノロジー),富野壽(構造計画研究所),西康晴(電気通信大学)
豪華メンバーによるパネルディスカッション。
聴講者がドキリとするような発言も多かったですが,ちょっと時間が短かったですね。パネリストの方々も話し足りなさそうでした。
途中,大場先生→今井さん→冨野さん→にしさん→清水さん→板倉さん→金子さんというコメントまわしがありましたが,大御所トークすぎて追加コメントなんかできやしない雰囲気が漂いましたね。(^-^;
■クロージング
昨年のSQiP研究会のテスト分科会から2件の発表がありましたが,その一件「WEBシステムにおける画面遷移図表 表記法の提案と効果的なテストケースの作成(大友貴司/キャノンITソリューションズ)」が参加者の投票によって表彰されました。テスト分科会は一昨年から合宿での特別講師としてお手伝いさせていただいているので,発表されたときには我が事のように喜んでしまい,また興奮しました。本当に良かった!おめでとうございます!
#昨年の論文を読みたい方はこちら
ということで,盛りだくさんな二日間だったのですが,非常に疲れたものの楽しかったです。
また,たくさんの方々に声をかけていただきましたし,それもありがたいなぁと思いました。

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