発売になりました! -[改訂新版]マインドマップから始めるソフトウェアテスト

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本Blogでも発売をお知らせしておりました[改訂新版]マインドマップから始めるソフトウェアテストですが、本日発売日を迎えました!

初版は初級者向けの書籍として講演会やBlog等で推薦図書として紹介していただくことも多く、またいくつかの団体では推薦図書選の一冊に加えていただり、さらに社内教育のテキストとして採用いただいているところもありました。ところが、流通在庫の減少により入手が難しくなってしまいました。絶版となってしまった以降は、中古本市場も高騰、著者としてはとても心を痛めていました。推薦して下さる方や未来の読者の方から再版を望む声をいただいておりましたが、再版は著者だけではどうこうできるものではなく、日々申し訳なさを感じていました。

ところが風向きが変わったのが昨年、読者の方々の声が出版社に届き、本日初版から約12年の時を経て、改訂新版としてお届けすることができました。本記事では、そんな[改訂新版]マインドマップから始めるソフトウェアテストについて、改訂の方針などを簡単にご紹介したいと思います。

書籍スペック

書籍スペックですが、大きさは特に変更ありません。
ただ、若干ながらページ数が増量となっています。初版よりもっとコンパクトに!と思っていたのですが、いろいろと盛り込んだ結果、逆に増えてしまいました。本当はもっともっと盛り込みたかったのですが、ページ数多くなると高くなって初級者の手に取ってもらえなくなるといけないので、バランスは気を遣いました。

発売日:2019/4/13発売
著者:池田 暁、鈴木 三紀夫 著
出版社:技術評論社

また、改訂新版ではご要望が多かった電子書籍版も出ます!

■電子書籍(kindle)

電子書籍版は本文内のマインドマップがカラーという特典です。
単行本の方は?…ですが、実は電子書籍にはないちょっとしたサプライズを仕込んであります。あなたのテスターとしての技術が試されるとき!?

Amazonでは好調な予約をいただいているようでした。
是非沢山の方々の手に届いて欲しいです!

改訂版出版までのあれこれ

さて、簡単に改訂新版の出版の経緯について書いておこうと思います。

マインドマップ本初版はありがたいことにテスト初級者向けの本としてご愛読をいただいておりましたが、2013年頃には入手困難な状況になっていました。薦められたが新品で入手することができないとか、中古がべらぼうな金額で売られているとか、著者が隠し持っていないかとか、再版してもらえませんかとか、沢山の声をいただいていました。ただし、再版は著者の一存でどうこうできるものでもなく、大変申し訳なく思っていました。

それが少し風向きが変わってきたの2018年です。
復刊ドットコムに初版の復刊希望が掲載され、復刊について機運が高まることになります。

そして、いよいよ技術評論社の緒方さんから(私が)最初にお話をいただいたのは2018年6月の初めでした。
最初は初版の電子版についての許可願いのお問い合わせでしたが、その後のやりとりで改訂の方向で行こうという話になりました。諸事情あり話が本格的に動き出したのは2018年12月中旬でしたが、ともあれ改訂版を出すことは決定し、具体的な作業に入っていくことなります。

その時点では2019年3月上旬の店頭発売に向けて2019年1月末で脱稿というスケジュールでしたので、年末年始返上での作業は確定、よい年越しとなりました。作業自体は前倒しで順調に進め、結果一次稿作業は1月末で無事完了できました。このとき、新進気鋭の手島さんと佐藤さんに誤字脱字チェックを中心にレビュー作業にご協力いただきました。おかげで用語の揺れや初版に残っていた誤字脱字など大幅に修正することができました。お二人にはかなり細かいところまで見ていただきました。改めて第三者による複眼効果は大切だなぁと感じました。

このころ、技術評論社側の出版調整により発売が一月ほど後ろになって4月発売の方針になりました。時間にゆとりができたこともあり、著者戻し作業は少し厚めに対応、二度のルノアール缶詰作業を実施、このときに戻しの確認に加え、一部マインドマップについて手直しを施しています。机にスケブを広げての作業はちと恥ずかしかったですね。そして、3月初旬に八重洲のルノアールで最終の缶詰作業を実施、紙に印刷したものに赤入れを入れていくという作業を行ない、以上で著者側としての全ての作業が完了しました。

そして、書籍の情報も3月中旬には公開され、以降、ネットを中心に地道な告知活動に取り組んで来たことは皆様もご存じの通りです。その他、NaITE#30NaITE#31で宣伝セッションを設けましたし、JaSST’19東京でのチラシを配布、福岡での勉強会でもyoshitakeさんにチラシを配布いただきました。SNSでは多くの方に情報を拡散していただき、こうして本日を迎えました。

※無償でお使いいただけるチラシを公開しています。是非お使い下さい!

[改訂新版]マインドマップから始めるソフトウェアテストのチラシ

改定の方針

さて、そんな本書ですが、初版に対して次の方針で改訂を施しました。

  • 基本的な構成は大きく変更しない
  • コラムを追加
  • 陳腐化している第Ⅲ部を廃止し、旧第Ⅳ部を新第Ⅲ部として加筆修正する
  • ブックガイドの情報を更新
  • その他、情報の追加や文章表現、用語の調整

今回の改訂にあたっては様々な検討を行ないましたが、結論として「初級者にまずテストプロセスの基本を抑えてもらう」ということを変えないこととしました。
従って、構成や内容は初版を維持しつつ、冗長だった箇所を見直して読みやすさを向上しています。一部の情報については現状を踏まえて脚注やコラムの追加を行なっています。また、今では陳腐化してしまったツール紹介がメインの第III部を廃止し、旧第IV部を新第III部として加筆修正しています。同様にブックガイドについても更新しています。

改訂にあたってはこれまでの12年間のトピックを全部入れ込みたいところではありましたし、著者ら自身に蓄積されたノウハウもそうしたかったのですが、そうすると情報量が多くなりすぎてしまい、本書のメインの対象読者であるテスト初級者には処理しきれないことが考えられました。また、ページ数が大幅に増えてしまいますので、それが手に取っていただくことの障壁となったり、持ち歩くのに不便が生じるということが考えられました。ですので、初級者にまず知っておいて欲しいということと、知っておくときっとよいことへのポインタを示すことに意識的にとどめています。

このあたりについては、「あとがき」に著者らの思いを書いています。

どんな方に特に読んで欲しいか

本書の対象読者は次を想定しています。

  • 職場に配属されたばかりの新人の方
  • テスト技術者としてステップアップしたい方
  • 教育者の立場にあるベテランの開発者やテスト技術者の方

本書が発売されるタイミングは、まさに新人が職場に配属されていく時期です。
新人の方が職場に配属されて「テストしてって言われたけれど、よくわかんない。」ということになったときの助けになれるのではと思います。また、既にテストに取り組んでいる方は、テスト作業を創造的にするためにマインドマップという武器を得ていただけます。そして教育者の立場にある方は本書を教育テキストとしてご利用いただけます。

本書はあくまで初級者をメインの読者として想定してします。
また、本書はテスト技術者に限定するものではなく、テスト技術者も含む開発プロジェクトに関わる全ての技術者向けに書いています。是非幅広い方に読んでいただけたらと願っています。

そして、初版をすでにお読みいただいている方。
二冊を並べて読んでいただく事で、この12年の変化を楽しむのも良いのではないかと思います。基本は変わりませんが、その基本ですら微妙に変化しています。そこに技術の進歩とか進捗を見つけられるのではないかと思います。

最後に、謝辞

以上、発売日に少しでも情報をお伝えできたらと記事を書いてみました。
これを書いているのは朝方ですが、発売日の朝は早く目が覚めてしまうのは子供かよという感じですね。でもそれくらい私自身楽しみだったということです。

こうして書籍を書ける機会というのは技術者としても人間としてもそうそうあることではありません。そんな人生において貴重な機会をいただけたことに心から幸せを感じています。また、この機会に改めて居住まいを正して技術者人生を意味あるようにするために粉骨砕身頑張っていかねばならないと考えています。

この[改訂新版]マインドマップから始めるソフトウェアテストは平成最後のソフトウェアテスト本としてリリースされます。平成の振り返り、令和を切り開いていく一冊となったらと願わずにはおれません。是非沢山の方にお手にとっていただけたらと思います。また、勉強会などご協力できることもあると思いますので、お気軽にお声がけいただけたらと思います。私がやりたいのは少しでも初級者の手助けとなり、テストの現場を少しでもよくすることです。できることはなんでもと思っています。

最後に謝辞を。

日頃から多大なるご支援をいただいている、NPO法人ソフトウェアテスト技術振興協会(ASTER)の会員、ならびにJaSST実行委員の皆様。

本書に対し、推薦のことばをいただいた福永泰様(改訂新版)、松尾谷徹様(初版)。初版帯コメントをいただいた西康晴様、平鍋健児様。イラストをお寄せいただいた松谷峰生様。

原稿レビューにご協力いただいた、、手島尚人様(改訂新版)、佐藤博之様(改訂新版)、吉澤智美様(初版)、湯本剛様(初版)、井芹久美子様(初版)。

 そして、初版編集をご担当いただいた小坂浩史様、改訂新版編集をご担当いただいた緒方研一様。

この場をお借りして、深く御礼を申し上げます。

そして、共著いただいた鈴木三紀夫さん。
今回も多くの議論を深めながら、ご一緒できたことに感謝です。本当に有り難うございました。

家族にも、日頃からのサポートにありがとう。私からの献本一冊目は家族へ。

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