今回が最終回となる「TPI NEXT ざっくり要約」の第五回は,第4部「ビジネス主導の改善」をざっくりと要約します。


  •  まずは第4部の目次を確認しましょう。第4部は三つ章が設けられています。
  • 第4部 ビジネス主導の改善
    • 第6章 ビジネス主導のテストプロセス改善(BDTPI)
      • 6.1 特定の結果を目指すBDTPI
      • 6.2 利用するBDTPIモデル
      • 6.3 ビジネスドライバのモデルへの影響
      • 6.4 テストプロセス改善のコストと利点
    • 第7章 さまざまな状況へのBDTPIモデルの適用
      • 7.1 反復開発手法への適用
      • 7.2 アジャイル開発手法への適用
      • 7.3 複数のテストプロセスへの支援
      • 7.4 一から始めるテストプロセス策定への適用
      • 7.5 ソフトウェア保守への適用
      • 7.6 ソフトウェアプロセス改善への適用
      • 7.7 アウトソーシングとオフショアへの適用
      • 7.8 マネージドテストサービスへの適用
      • 7.9 開発テストへの適用
      • 7.10 評価への適用
      • 7.11 統合への適用
    • 第8章 実践で価値を証明するBDTPIモデル
      • 8.1 気付きを与える(意識付け)
      • 8.2 ゴール、スコープ、取り組み方を決定する
      • 8.3 現状をアセスメントする
      • 8.4 改善を定義する
      • 8.5 行動計画を立案する
      • 8.6 行動計画を実行する
      • 8.7 評価して再方向付けを行う

 第4部で書かれていることを一言で表すと「BDTPIモデルのテーラリング」です。リファレンスであるBDTPIモデルはそのままでも利用できますし大きな効果を与えてくれますが,より活用したかったり特定の状況に適応させたりする場合には,テーラリングする必要があります。書籍を入手した当初はいきなりここを活用することはないと思いますので,本記事では何が書かれているかのみを紹介します。実際,かなり具体的なことがかかれているため,初読でいきなり第4部の理解するのは難しいなと感じました。第3部までの内容を頭に入れ,多少の実践を積んだのちに,この第4部を読むと理解が進むのではないかと思います。(もっとも筆者の理解力が弱いだけかもしれませんが…)

 第6章では,BDTPIの「ビジネス主導とは何か」について解説するとともに,BDTPIの取組内容をステップで解説しています。解説されているステップは以下の通りです。

  • ステップ1: ビジネス主導要因を特定する。
  • ステップ2: ビジネスゴールをIT ゴールに置き換える。
  • ステップ3: IT ゴールにとってより重要なキーエリアとそうではないキーエリアを それぞれ特定する。
  • ステップ4: チェックポイントのクラスタ配置を再調整する。

 第7章では,さまざまなITの環境や状況においてBDTPIがどのように利用できるかを解説されています。例えば,アジャイルやその他のソフトウェアプロセス改善モデルとの連動などがあります。具体的には以下を取り上げています。

  1. 反復開発手法
  2. アジャイル開発手法
  3. 複数のテストプロセスを持つ組織
  4. テストプロセスを一から策定し始める組織
  5. ソフトウェア保守
  6. ソフトウェアプロセス改善
  7. アウトソース
  8. マネージドテストサービス
  9. 開発テスト
  10. 評価
  11. 統合

 第8章では,大手銀行による事例を紹介してします。第3部にてBDTPIの一般的な変更プロセスが解説されていますが,そのプロセスに乗っ取って記述されているために具体的イメージを持つために大いに役に立つと思います。


 以上,第4部についてはさらりと流しましたが,個人的には第8章→第6章→第7章の順番が読みやすいのではないかと思います。第4部を活用する状況になった時は,BDTPIによる改善活動にかなり慣れてきたという証拠になるのかもしれません。 <hr>  これにて「TPI NEXT ざっくり要約」は終了となります。TPI NEXT にどのようなことが書かれているかイメージを持ていればと思います。要約自体はかなりの勢いでざっくりしていますが,書籍には詳細に解説がされています。是非とも書籍を入手していただき,自身や自組織のテストプロセス改善に生かしていただけたらと思います。


  全体を総括すると「TPIよりかなり使いやすくなった」という印象を持ちます。BDTPIは第三者組織が使うものではなく現場で使う技術であるという考えがそこかしこに感じられます。是非じっくりと読んでみて下さい。

 最後に翻訳者の方々に御礼を。とても良い技術であるにもかかわらず,これまで国内にはあまり紹介されてきませんでし,実践事例もみかけませんでした。こうして日本語版が発行されることで,国内におけるテストプロセス改善技術普及の機運が高まることは間違いないでしょうし,そのときに,この翻訳書は有力なガイドとなることは間違いがないと確信します。

投稿者 ikedon

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