今年も大晦日となりました.
毎年激動の一年と言っていますが,今年もご多分に漏れなかったので,簡単に振り返っておこうと思います.
(とはいえ,書けることのみ.ガチな振り返りは年明けにと思っています.)

■1月:介護離職の決断

1月で一番大きかった出来事はというと「介護離職することに決めた」ということでしょうか.
もともとこの問題には何年も取り組んできたわけなのですが,事態が急変し,住まいのある東京ではなく実家がある長崎の比重を増やす必要が生じました.また単純にこれまで以上に負荷が大きくなるため,どこの時間を削るかというと勤務という結論になりました.この時所属していた会社はとてもよい会社でしたのでかなり悩んだのですが,伴うライフスタイルの変化を優先して離職することを決めました.なにせ長崎から週三日の東京への出勤は難しく,当時福岡にも面倒を見る対象がありましたので,3拠点生活での生活は厳しい.ネガティブなことを考えてもしょうがないので,新たなことを始めるタイミングと自分を納得させての最終決断でした.この決断に大きな影響があったのは,年明けの「にしさんを語る会」でしょうか.ここでたくさんの方と話をさせていただき,病気とか人生について向き合う機会となりました.

■2月:引継ぎに集中していた月間

離職すると決めてあれこれと引継ぎを始めたのがこの2月.それで一か月があっという間だった記憶があります.仕事を着地させつつ,話すべき人と話すということでした.
そのほかは4月のTOCセミナーの準備とか6月のSSの準備が,このときに佳境だった記憶があります.

■3月:前職の東京外拠点への訪問と対話

3月は前職の開発拠点に離職の報告やそれにともなう特別講義を実施です.
福岡と大阪に足を向けましたが,多くの方との交流があり,またじっくりとMTGもありで,お話ができてよかったです.

JaSST’24 Tokyoでの講演もありました.「温故知新:QAエンジニアとして日本的品質管理を再考する」と題し,金子さんと河野さんとパネルトークを実施しました.QAという言葉はいろんな意味や立場や行動として語られていますが,改めて王道や正道としてのQAの立場から考えてみましょうというものです.ここ10年ほどに業界に入ってきた方々には新しい内容,そしてメーカー・製造業のQA部門にいらしている方にはあらためての再認識の機会になり,大いに盛り上がりました.

そして某社での社内講演の機会もいただきました.
このときにはレビューをテーマにしていたので,改めての知識のアップデートやこれまでの経験からの事例やアドバイス項目を整理するのが大変で,資料作成がとても大変でしたがよい勉強の機会でもあったなと思いました.

■4月:大学入学とTOCセミナーの開催

4月は大学の入学式で筑波に行ったのが思い出深いです.20年以上ぶりの入学式でした.ミーハーに加納治五郎先生の像との写真も撮りました.やっぱキャンパスに行くとはしゃぎますね.
とはいうものの,前の年の8月に合格したのち,最終的な入学申し込みをしなければならない2月末は本当に悩んでいました.介護離職するのに入学すべきなのか,フルタイムの仕事はなくなる代わりに介護がはいってくるところで,そこに勉学を入れていいのか.どう考えても負荷が大きすぎるのですが,入学のために骨を折っていただいた方々の気持ちを考えると簡単にやめてしまうことはできません.ただ…と悶々と1週間悩み結論「途中で失敗したとしてもまずは一歩飛び込んでみることが大切だろう.やってからの退却は名誉であるが,やらずの撤退は逃亡でしかない.やらない理由を作っていないか?」との自問があり最終的には入学手続きを完了しました.
早速この月から授業が始まったのですが,授業の内容ではなく,学校の制度等でわからないことが多く,大変でした.

そして,4月はTOCセミナー長崎の開催もありました.
https://nagasaki-it-engineers.connpass.com/event/306054/
なんせ介護離職と大学の話と並行の準備開催でしたので,本当にきつかったです.
もともと自分発案の企画ではなかったのですが,7th長崎QDGで講演いただいた福永さんのご紹介でゴールドラットジャパンさんとのご縁ができ,特別セミナーを開催することができました.
この準備は本当に大変でしたが,多数の方々にお越しいただいて盛大に開催で来てよかったです.自分としてもTOCに関して久々にしっかりと向き合う時間を取れ,有意義な時間でした.年内にもう一回セミナーを考えていたのですが池田の時間不足で開催できませんでした.来年はと考えているところです.

そして,この月に前職を退職です.
退職日には,最終講義と題して1時間ほど,これまでの池田の人生を中心に透き通ったエンジニアとは何かということをお話しさせていただきました.
当日はこの最終講義と追い出し会には全国からほぼすべてのQAエンジニアが大集合してくださいまして感動しました.追い出し会の最後に頂いた色紙は私の宝物になっています.一番一緒に時間を過ごしていたエンジニアには「ひとえに人徳ですよ」と言っていただき,離職という罪悪感を大きくぬぐっていただき,改めて前を向くことができました.

■5月:ゴルフはじめました

5月は退職直後であり,それまでがあまりにも生活状況がひどかったので,最初の一週間は可能なかぎりの休息を取っていました.結構ボロボロな状態でひたすら寝ていたと思います.

大学は毎週の講義に必死についていくのが大変でした.
講義は全修士・全博士はそれぞれ自分の研究計画等をプレゼンしていくということで,1回に5本ほどの発表があります.それそれに対して質問票というのもまとめないといけないので,なにせ知らない学群の話も多く,初耳のものにたいして対応していくというのは大変です.自分の研究はというと,壁打ちをさせていただきつつ少しずつ前に進むといった感じです.産頭から学頭に切り替えるのは本当に大変で苦労していた時期です.

そして,ずっと奈良さんから勧められていたゴルフを始めました
強い勧めとデビュー日程を決められていたのもあるのですが,会社も辞めたし・もっとストレスフルな生活になるにあたってはなにか発散できるものがないと,ということです.まずは徒歩5分のとこにある,インドアゴルフを契約して,朝や昼に通い始めました.

■6月:SS2024を長崎で開催

6月はなんといってもSS2024in長崎でしょうか.
これについては一言でいうと「大変だった.」につきます.本当によくやり切ったなと思う次第です.あれこれトラブルが発生するなか何とかちゃんと開催することができてよかったです.セッションの時間を皆守ってくれないので(というかセッション担当者にはマニュアルまで渡していたのに)会議室を回っては「時間ですよ!」と声掛けするのが本当に疲れました.おそらく現地コントロールとしてはこれまで一番大変だったイベントだったかと思いますが,それもまた危機管理能力の向上に役立ったと思えばよい経験だったと思います.
このSSには技術顧問していたNDKCOMからも研究論文1本,事例発表1件が出せ,とても良かったと思います.こういったイベントできちんとアプトプットするのは同社の成長を促します.

その翌週は某企業にて中級エンジニア教育でした.
こちらは前任からの講師引継ぎという新しい案件でしたが,1日で全体像と抑えておくべき実務上の新規トピックを考えるのは大変でした.コンテンツ作りもかなりの期間がかけました.当日はさすが中級ということで受講者のレベルが高く,議論が盛り上がり,講師として楽しい時間でした.

さらに翌週は大学で研究サーベイの発表でした.
英語でのレジュメ,英語での発表,英語での質疑応答ということで,かなり気が重かったのですが,なんとか乗り切れてよかったです.英語についてはやはり質疑応答がかなり厳しいことが分かったので,以前から認識しているものの今後の課題として向き合わないといけないなと思います.
ちなみに英語自体は前職の英語化の過程でTOEICはかなりひどかったところからそこそこのところまで持っていけていたので,随分と心理的ハードルは下がっていましたが,やはりTOEIC力は特殊技能だなと感じたのも確かでした.実務であんま役にたたない...

■7月:小休憩

この月は,6月までの大物が全部終わって小休止の月でした.
抜け殻になりそうだったので,ひたすらゴルフの練習をしながら回復をしていたように思います.

■8月:8th長崎QDGの準備を本格化

大学が夏季休暇期間にはいったのでずいぶん楽になりました.
とはいえ集中講義が一本ありました.リスクと安心の科学哲学特論という授業でしたが,これがとても面白い講義でレポートにも力が入りました.(結果,評価も高くてよかった!

そして,この8月からは来年2025年2月7日開催予定の長崎QDGの準備が本格化していきました.

加え,この月から長崎への滞在期間が大きく増えることになります.(月の半分は長崎に)

■9月:ゴルフデビューとJaSST九州の準備

この月はなんといってもゴルフでしょう.グリーンにデビューということで,練習の成果が試されることになりました.この時のメンバーは奈良さん・榊原さん・飯泉さん・私ということで,私以外がとんでもないメンバーだったので緊張しかありませんでしたが,みなさんのお気遣いもありとても楽しく回れました.ただ,暑かったですね.汗が大変なことになっていました.コースは葉山国際,デビュー時スコアは122でした.デビュー戦としても十分だということで,事前の練習しておいたよかったなと思った次第です.新たなことにチャレンジするのたのしいな!と思いました.

翌月に迫ったJaSTT九州での講演資料作成もこの月にスクラップ&ビルドを繰り返しながら作っていました.
別の記事にも書きましたがかなりの難産で,かなりの工数もかかりましたが,これまでの人生の振り返りの一つとして有意義でもあありました.

■10月:JaSST’24 Kyushu と執行役員CTOに

久々の大きな講演ということで,JaSST’24 Kyushu in Okinawa がありました.
一言,取っても大変でしたが,とっても楽しかったです!
ということで,久々にBlogを書きました.詳細はそちらにて.
https://swquality.jp/?p=1577

もう一つ大きな出来事です.
以前から技術顧問しているNDKCOM社について,発展的に執行役員CTOのオファーをいただき着任させていただくことになりました.こちらの「介護で長崎滞在が増える,フルタイムはできない」という制約も含めてのオファーでした.これまで構築してきたお互いの信頼感もあり,気持ちよく了承させていただきました.10年前にもっと長崎に貢献したい,できればコミュニティだけでなく,民間企業にぐっと支援したいということを目標にして,それがかなったということは大きな感慨があります.小さくてもあきらめずにやっていれば,必ず目標を達成できるという実感を得ています.
このNDKCOMは現在60期,つまり60年企業です.その初代執行役員としても初代CTOとしてもポジションを作っていただいたことには感謝しかありません.同社に貢献してまいりたい所存です.

■11月:長崎・東京での拠点づくり,人間関係づくり

NDKCOMのCTOとして活動していくにあたり,(それだけで)毎月2週間程度長崎に滞在することになるわけですが,現在のホテル宿泊費の高騰はコスト的に無視できるものではなく,調べてみるとアパートを借りる方が圧倒的に安くなることがわかりました.会社に相談し,物件(日常的に済むわけでないので最低限寝たり簡単な執務ができればよい)を選定するということに着手.同時に東京地区にもNDKCOMとして池田が執務する物件の選定もやっていました.どちらも物件のあてができて,良かったです.

この時の長崎大滞在では,全部署の方と面会するということで,顔合わせ会の毎日でしたが100人以上との面会はかなりヘビーでした.でも一度はお互い言葉を交わしたことがあるということを早い時期に実施するのは大切なことでしたので頑張ってやり切りました.結果,全社員には認識してもらったかなと思います.いろんなキャラクタの方がいるなとも感じたし,いろんな仕事があるとも感じ,たくさんのことのキャッチアップにとても良かったです.

■12月:長崎の拠点づくり,8th長崎QDGの追い込み

11月に検討していた物件ですが,長崎・東京ともに選定や契約が完了しまして,長崎に関しては最低限の生活空間構築に着手できるようになりました.2週間のホテル生活って,ビジネスホテルだと心が折れそうにもなるのですが,プライベートな部屋ができるというのは良いですね.ストレスが下がっていきそうです.東京は年明けに開所の予定です.

そして8th長崎QDGです.
ついに二か月きったということで,参加者募集等始めました.ここまでたどり着くと感慨深くなりますね.
とはいうものの何かとあるもので,年末12/29に大問題が発覚しとんでもなく慌てましたが.10秒深呼吸をして気を静め対応することは即座にして状況を整理,関係者に展開.これを短時間でできたのは,久々に馬鹿力を出したなぁと思いますし,私もまだまだやれるなと思いました.とはいえ,一気に胃がの調子が悪くなりまして,胃薬で回復中です.(苦笑)

■年間通して

ということで,雑に書きだしてもいろんなことがあったなぁという2024年でした.
年間通してきつい状況が続いているのは介護関係ですが,これはもうそんなもんだということで向き合っていかないとしょうがないですが,それにしてもしんどい.時間と精神力の半分以上は持っていかれますし,体力も消耗します.そんな中でのいろんなことは大変でしたが,状況を嘆くよりは新たな挑戦の機会と反転させて乗り切ってきました.この生活はまだまだ続きそうですが頑張りたいと思います.

ただ一転心残りは,学業方面については年の後半はいったん横においてという割り切りをせざるを得なかったこと.介護が思った以上に大変な方向に振れてしまって,いろんなことに影響が出てしまった.これは来年早めにどうにかしたいと思っています.(本当に悔しい)

それと,今年感じたことは「世の中いろんな人がいるんだな」ということを改めて感じたこと.関わる人がすごく増えた一年でしたので,いろんなタイプの方との交流ができ,刺激を受けたり勉強になったりちょっと違った感想を持ったりとあれこれ考えることも多かったです.そんな人間関係のなか,自分がどのようにふるまったり考えたりするのかは,あらためて勉強が必要だなと思った次第です.

とはいえ,ほんとによく頑張ったと思います.
心の底から「このままだと私死んじゃうかも」みたいな生活でした.久々に平均睡眠時間3時間程度が続いて,健康管理はかなり気を使いました.年末,少しだけ休暇を取ったら一気に疲れが襲い掛かってきて頭痛はするわだるいわやたら眠いわの状況です.正月は少しだけペースを落として回復し,来年スタートダッシュができればと思います.

■年末のご挨拶

今年は年の最初から多くの方にご迷惑をおかけするところから始まって,たくさんの方に支えながら,そして出会いながらという一年だったと思います.感謝に堪えません.

皆様,この一年本当にありがとうございました.
個別に御礼やご挨拶できませんが,来年も粉骨砕身,人にやさしく,常に謙虚で,楽しみながら,というように生きていきたいと思いますので,どうぞよろしくお願いします.

投稿者 ikedon

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