去る5/7にFacebookに懐かしいネタが流れてきました.

そうか,10周年!
現在は私はもはや運営からは退いていますが,あとを引き継いでいただいている皆さんにより開催され続けており今に至っています.(佐藤さん中心に開催を継続いただいています.深謝です!!!)
私個人はファウンダーを気取ってなにかするのがとても嫌いなのですが,当時の記録は残しておくのも良いことなのかと一昨年のある一件で考え直したこともあり,よい機会だと思いますから,少しだけ懐かしんでみたいと思います.
テスト酒場とは
立ち上げ時のテスト酒場についての定義(?)をもともとのページから引用すると「ソフトウェアテストに関する話題を肴に楽しく飲みましょうというゆるい会です。飲みながらの会話でそれぞれに何か気がつこうというゆるい感じなので,お気軽にご参加下さい。」です.
これは現在においても変わっていないようですね.
テストを肴に愉しく飲み,気づきを得て帰る,これがテスト酒場です.
現在はconnpassにて開催告知や募集が行われています.
https://test-sakaba.connpass.com/
テスト酒場立ち上げのきっかけ
さてテスト酒場を立ち上げの背景としては,次のようなことでした.
- JaSSTなりWACATEなりで催される懇親会をつなぐ場があるといいよねって思っていた
- 私自身が当時は(今もか)飲みながら技術を語り合う場が好きだった
- もともと不定期にxに「今日飲む人います〜?」と突発的な飲み会をしていた
みなさんも経験あると思いますが,イベント後の情報交換会で盛り上がるものの,次に再会するのは半年後とか1年後ということありませんか?
いまでこそ,あたりまえのように毎週たくさんのイベントや勉強会が開かれる状況にあり,再会するまでにそれほどの期間は要しませんが,10年前当時はまだまだそういったことにはなっていません.1年後に再開したとき,昨年あれだけ盛り上がったのに名前や顔も話題も覚えていないということが起きがちでした.つまり,大きなイベントは増えてきたものの,継続的な交流や会話・議論が行われないために,毎回ゼロリセットがかかるという問題がありました.これを残念に思っていたわけです.
ならば「ないなら作ればいいじゃない」といういつものノリで作ることになります.
ポリシーを決めよう!
テスト酒場はできれば末永くテストエンジニアが語り合う場となってほしいなーと思っていたので,継続のための次のようなポリシーで始めることにしました.
- 極力幹事(的な人)に負担がかからないようにする
- テストの話を主な肴として盛り上がる
- 予定を組みやすいように開催曜日を固定し,ゆるく,割り勘制でやる
- 会社とか団体とか背負わずに,個人の立場で参加してもらう
- 一人で参加するのが不安な人は友達を連れてきてよい
- 全員で楽しめるように,お互いに配慮・気遣いをしてもらう(いまでいうハラスメントポリシーみたいなもの)
他にもあったような気もするのですが,概ねこんな感じです.
開催するのが辛くなってはいけませんし,参加しやすくするのも必要,そして開催して嫌な思いになるのもだめ,ということですね.
※現在はこのポリシーは変わっていることもあると思います,あくまで立ち上げ時のポリシーです
命名!「テスト酒場」
もともと定期的に飲む人たちがいて,そういうことやるならば,なにか名前があったほうがいいよねということになりました.
名前をつけるときに横文字の案とかもたくさん出てきたのですが,場末感あるといいよねということで「テスト酒場」という名をつけました.語呂の座りもよいし,なにより不必要にキラキラしていないのもよく,今でも結構気に入っています.なお,おっさんならではの命名だよねということはよく言われますが,褒め言葉として受け取っておきます.
ちなみにFacebookとかconnpassで使われている酒の写真,あれは私の自宅にあったものを雑に撮ったものです.今でもそのまま使われています.(変えてもらっても全然良いのですが)
※雑な写真
そしてテスト酒場の立ち上げ!
そんなこんなでFacebookにグループを作ってそこで運営していくことにしました.

グループを作ったのが2015年年4月21日,第一回を5/7とアナウンスしています.
私もこのスクショをとって気がついたのですが,最初に反応くださった方は朱峰さんなのですね.これは自慢できると思います.あのテスト酒場最初の一人は私だと.(しなくてもいいけど)
Facebookグループはまだ残っており,オープングループなので,興味ある方はどうぞのぞいてみてください.
https://www.facebook.com/groups/454331538050457/
記念すべき第1回 開催!
初回は2015年5月7日,本稿冒頭のスクショにあるように5人での開催です.
GWの前の告知だったので,予定をつけられなかった方もいらしゃった記憶ですが,初回として多すぎず少なすぎずのよい規模感でゆるく開催することができました.
開催場所は東京大森の「富士川」の二階だった記憶です.
暫くの間はここで開催することが多く,テスト酒場の聖地とも言える場末感あふれる居酒屋でした.
残念ながら建物の老朽化により閉店,建物があったところは更地になっています.
https://zekkei-sakaba.com/open-or-close/omori-fujikawa/
その後のテスト酒場,NaITE勉強会との連携,他地域での開催
その後のテスト酒場ですが,毎月一回の開催というベースで回を重ねていくことになります.
記録を見ると,事前意思表示ベースですが,第二回が7名,そして第三回が15名!(満員御礼)
口コミでどんどんと参加者が増えながらの開催となりました.確か第三回は大森の港やさんの個室.キ最終的にはあとからやってきた人含め,20名程度のぎゅうぎゅうに盛り上がりました.人数が増えてきたことと女性も増えてきたので,富士川さんからは場所を変えて港やさんで開催されることもふえていきました.大きめの個室があることとトイレが男女分かれてきれいなことといった要素は,こういった場作りでは重要なことと思います.)
その後,ほぼ同時期に私が立ち上げたNaITE(長崎IT技術者会)とその勉強会が軌道に乗り(2015年4月1日に立ち上げ),二週間に一度もしくは月に一度の定期開催になりました.そうすると,幹事(私のこと)や運営サポーターの負荷が高くなってきました.ほぼメンバーが被っていました.二週に一度の勉強会の運営と月に一度の酒場の運営でプライベートな時間を侵食していくのは申し訳無さがありました.
そういったわけで,みんなで相談し,幹事は結局同じメンバーだからということで,土日のお昼にNaITE勉強会を開催し,その後夕方早い時間から懇親会をテスト酒場でという運用に変わることになります.平日水曜日からの開催からは状況が変わったのですが,勉強会に参加して,勉強会の話題も肴のひとつとしてテスト酒場で盛り上がる,という流れです.もちろん勉強会だけの方もいらっしゃいましたし,テスト酒場のみという方もいらっしゃいましたしそれは許容しています.この流れになって良かったのは,初めての参加者やテスト初級者の方が酒場で共通の話題を持ったところから始められるということです.勉強会に参加するということに敷居の高さは確かにあるのですが,結果として初めて酒場に参加される方の心の敷居は下がりました.また,これまで終電の都合や残業予定が見えないために参加できなかった方も参加しやすくなりました.これは良かったと思います.
なお,この頃には,当初幹事だった私や幹事ーずから,テスト酒場の常連になってくださった方々に幹事というかテスト酒場というある種のコミュニティ化しつつあったテスト酒場を引き継がれていました.引き継いでいただいた中心人物が現在においてもテスト酒場を開催してくださっている佐藤さんです.また,幹事ーずという形で浦山さんや常磐さん,川崎さんらが積極的に動いてくださっていた事をよく覚えています.(他にも多数おられたと思いますが,お名前挙げられていなかったらすみません.おじさんの痴呆によるものと笑って許してください)
そうこうしてNaITEの勉強会がコンスタントに20名〜50名といった規模の参加をいただくようになった結果,その参加者殆どが懇親会にもおいでになっていたので,テスト酒場としても大きな場となっていきました.たしかどこかのホルモン屋で40人規模の酒場とかもやったような記憶です.壮観でしたねあの光景は.
また,長崎QDGやJaSSTに合わせてテスト酒場in長崎とかテスト酒場in福岡とか,場所にとらわれなくなっていったのも面白かったと思います.NaITE勉強会自体が長崎以外の東京や各地での開催も問わない形態だったというのも影響していると思いますが,東京でテスト酒場に参加した人が地元に帰ってテスト酒場を開催するという流れです.たしかどなたかには神妙な面持ちで「地元でも開催していいですか」と相談に来られたのですが,どうぞどんどんいっしょにやりましょうとお答えした記憶があります.
そしてテスト酒場で出会った人が大きなイベントでも再会するという当初想定していなかった広がりを持つようになりました.これも参加者がそれぞれに自律的に愉しむ!ということの広がり合ってこそかなと思いますし,それを支えた幹事ーずの皆さんの功績はとても大きいと思います.(なんせボランティア!)
酒場をとめたコロナウィルスの一件
相乗効果が出てとてもよい場になっていたNaITE勉強会&テスト酒場というパッケージですが,誰もが予想できなかったことが起きました.それがコロナウィルスに関する一連のことです.
御存知の通り,全世界レベルで人と極力会わない・会話をしない・飲み会なんてもってのほか!ということになりましたので,当然のことながらテスト酒場を開催することはできません.そうして勉強会も酒場も,リアル開催はお休みということになりました.そしてそれが完全再開になるには数年を要することになります.
そして現在
社会はコロナウィルスの一件から現在は「普通の生活」を取り戻しました.
現在はというと,イベント後の懇親会に加え,レギュラーの開催も再開されているようです.
次回は記念すべき50回!!!
テスト酒場のページを見ていて気がついたのですが,2025年4月19日に開催されたのが第49回ということで,次回は記念すべき第50回です!
小さく始めたテスト酒場がこうして10年も続いて,かつレギュラー会としては50回を数えることに,現在開催を重ねている幹事ーずや参加者への皆さんへの感謝がありますし,とても嬉しく思います.
50回が盛況に開催されることを心より祈念しています.
これまで参加した方はもちろん,最近テストの世界に興味関心参入された方々,ぜひ参加して交流を深めていただければと思います.
50回,本当にすごい!!!
懐かしんでの感想
テスト酒場の10年を懐かしんでみましたが,個人の振り返りとしてもとてもよい振り返りができましたし,ご一緒させていただいた方々への感謝の気持が改めて強く湧き上がりました.
テスト酒場はこの10年間のテストコミュニティの拡大において,下支えしたもののひとつではないかなと思っています.ミートアップやそういったものの懇親会ではなく,各自話したいと思った人が集まって,良い意味で無造作に会話を愉しみ,何かを得る.そこには熱量がありますね.
今後も末永く開催されていくことを願っています.
追伸 にしさんへ
本稿を書くにあたりFacebookグループのログを眺めていたのですが,これはふれておいたほうがいいなと思ったので最後に.
一昨年急逝され,来週5月17日に東京にて偲ぶ会が開催される,ソフトウェアテスト界に大きな功績を残され故にしさん(電気通信大学 西康晴さん)がFacebookのテスト酒場グループに参加したのは2015年7月16日.
かなり初期に参加していただきました.その後,時折顔を出していただき,場に集う若者たちを盛り上げてくださいました.
にしさん,本当にありがとうございました.
