「マインドマップから始めるソフトウェアテストAdvent Calendar 2015」 の2日目です。
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今回はカレンダーのテーマともなっている「マインドマップから始めるソフトウェアテスト」について,出版までのあれこれを想い出してみたいと思います。
※ご注意:本Advent Calendar はあくまで池田の個人企画です。
■執筆のきっかけと出版まで
マインドマップから始めるソフトウェアテストは鈴木三紀夫さん(当時TIS)と共著という形で出版されました。出版されたといっても,実はそれはいきなり執筆された訳ではなく,ソフトウェアテストの専門誌(ムック)であるソフトウェア・テストPRESSの記事がきっかけです。
JaSST’06 in Osaka にて「小さな改善シリーズ1:三色ボールペンとマインドマップの活用」という発表をしたのですが,折角発表資料としてまとめたのだから記事にできるといいねと話をしていました。そうして当時雑誌企画に協力していたソフトウェア・テストPRESSの vol.3 に「マインドマップから始めるソフトウェアテスト設計」という記事を書くことになりました。以降,何回か「マインドマップから始める・・・」という記事を書くことになります。
■ソフトウェア・テストPRESS vol.3 「マインドマップから始めるソフトウェアテスト設計」
この記事はマインドマップ自体の解説から始まり,今で言うテスト設計の作業をマインドマップで実施した場合のあれこれについて解説しています。この時代はまだテスト設計という言葉も一般的ではなかったですし,なにかしらの技法が広く使われていたということもなかったです。従って,マインドマップを使ってみてどうだったかというのを実際に利用している(教えた)方から声をいただき紹介しています。久しぶりに読み返してみましたが,今でも初めてマインドマップによるテスト設計に取り組もうとしている方への情報として有益でないかなぁと思います。俗に言うCPM法(コピー・アンド・モディファイ法)について,多分一番最初に(当時言葉はありませんでしたが)言及したのもこの記事だったように思います。発散と収束という言葉も今では当たり前に使いますが,この記事以降使われるようになったと認識しています。
■ソフトウェア・テストPRESS vol.4 「マインドマップから始めるテストケース設計」
vol.3の記事が著者の想像以上に反響を呼び,vol.4でも記事を書くことになりました。vol.4では読者からの2つの質問に回答する形をとっています。
1つ目は「マインドマップからテストケースを作成するには」です。マインドマップでテスト設計を実施するということは前回の記事で理解したものの,マインドマップでの設計結果をどのようにして具体的なテストケースに落とすかは解説していません。テストケースそのものについての解説し,マインドマップからテストケースに落とす手順を解説しています。マインドマップからテストケースに落としかたが今ひとつよくわからないという方は是非この記事を読んで実際に試していただければと思います。この記事のために読み直していますが,このレベルで詳細に解説している記事ってあまりないのかもしれません。
2つ目は「マインドマップツールを活用するには」です。この記事ではFreemindを取り上げています。個人的には”発想”についてはPCツールを利用することは推奨していませんが,うまく利用すると効果が上がります。ただ使いこなすのは難しいのでその注意点に触れつつ簡単に紹介しています。
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この記事も好評だったため,いよいよ書籍化ということになりました。JaSST東京の情報交換で技術評論社の担当さんと会話をした一週間後にGoがかかったのはとてもびっくりしましたが,同時にとっても嬉しかったのを今でも忘れられません。これも機会を与えて下さった技術評論社の担当さんと共著者の鈴木さんのおかげですね。
■ソフトウェア・テストPRESS vol.5 「マインドマップから始めるテストケース設計 実況セミナー」
MM本はvol.3およびvol.4の記事をベースに増筆して出版されました。このvol.5での記事はTEFで募集したMM本発売記念勉強会のレポート記事となっています(発売記念記事みたいなものですね)。これまでの記事をみんなでやってみようという主旨なのですが,この記事をベースに研修をしやすいようにと構成しています。解説記事ではないので記事の内容には触れませんが,マインドマップによるテスト分析設計演習をやってみたいという方は一読いただけると参考になるかもしれません。たぶん,そのままなぞっていただくだけで2h程度の演習は実施できるのではと思います。
■まとめ
簡単にマインドマップが発売されるまでのきっかけや経過について紹介しました。ここまで読んだ方はお気づきかもしれませんが,書籍化するにあたって泣く泣く落とした内容もあります。もし可能であればテストPRESSも入手していただき,合わせて参照していただくとより深く理解いただけるのではないかと思います。なお,現在は総集編が入手しやすいですしpdfもついてきますのでおすすめです。
その他エピソード的な物もあるのですが,それについてはまた別の機会にと思います。