「マインドマップから始めるソフトウェアテストAdvent Calendar 2015」 の9日目です。
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今回は第II部の最小の章であるChapetr3「第II部の流れ」を取り上げます。このchapetr3は,第II部を進行していくにあたって,取り上げる範囲や(文章/物語としての)設定を解説しています。第II部を読み進めるために,ここもしっかりと読んで欲しいところです。
※ご注意:本Advent Calendar はあくまで池田の個人企画です。
■取り扱う範囲「仕様分析からテスト報告書まで」
本書では所謂システムテストを対象にして書かれていると理解していただければよいでしょう。そのシステムテストレベルではサブプロセスとも言えるテストライフサイクルを持ちますが,それを章として個別に取り上げて解説しています。
仕様分析 | Chapter4 |
テスト計画 | Chapter5 |
テスト設計 | Chapter6 |
テスト実装 | Chapter7 |
テスト実行 | Chapter8 |
テスト報告 | Chapter9 |
以前の記事でも「何故ここにテスト計画が?」という疑問を持つ方もいらっしゃると思います。計画という作業を強く認識して欲しいという想いがあり,本書ではこのような章立てになっています。ISTQBではテスト管理とテスト開発の作業をわけて整理していますが,本書ではそれと比較と少し違和感を持つと思いますが,どのように整理するかだけの話なので,(プロセス論までふみこます)ここではひとまず紙面構成上の整理と理解しておいてください。
なお,p.65の脚注にこうあります。
※1 このフローは電気通信大学の西康晴氏のアドバイスをいただきました。とくに,分析と計画の分離というアイデアや,テストケースの作成を「テスト実装」と呼んでいるところは,多くの影響を受けています。
(引用:マインドマップから始めるソフトウェアテスト p.65)
脚注のこの表記からわかるとおり,当時はまだテストプロセス(ライフサイクル)全体については様々な議論が行われていました。現在はISTQBや智美塾での議論により収束しつつあると思いますが,まだ2007年当時は一般認識という所まではまだ達していなかったと想像します。
■ケース設定「Webシステムの開発,および登場人物」
さて,本章ではChapter4~9を進める上でケースを設定しています。
本書では大手書籍販売会社「さゆり書房」によるWebシステムのリニューアルを題材にし,アプリケーション開発会社で開発を担当するベテラン技術者とその後輩である新人技術者の二人の会話をベースに解説をすすめていきます。これは読み物としてさらりと読めるくらいにしたかったという著者の意図がります。ですので,とても細かいですが,登場人物には名前をつけていません。各自がロールプレイしてもらうためのちょっとしたアイデアという訳です。(名前がついていると無意識的に他人事と思ってしまうから)
■おわりに
本章はページ数も少ないですが,著者らの狙いが見え隠れする章でもあります。読み飛ばしていただいても問題ないのですが,一度くらいは目を通してもらえたら嬉しいなぁと思います。