この年末年始は体力的にぐったりしていましたが,少しくらいは掃除をと思い,PC周りの片付けをしてました。
配線周りを少し整理していたのですが,LANケーブルの配線をいじるついでに以前から気になっていた無線ルータの電波状況の改善に取り組んでみました。
■ポイント1 5GHz帯を使おう
最近のルータは2.4GHz帯に加えて5GHz帯が利用できます。
2.4GHz帯を利用する「IEEE802.11b/g/n」は5GHz帯に比較して遠くまで届くきやすい特性がありますが,現在家庭に普及している無線ルータは2.4GHz帯のものが多く,その結果,マンションなどでは隣の部屋の無線ルータと干渉してしまい,接続が悪化したり速度が遅くなったりします。今日ほとんどの家庭でインターネット接続は当たり前となっていますが,その半分以上はプロバイダからブロードバンドルータをレンタルし,そして数年間は入れ替えることなく使い続けられています。そのブロードバンドルータで無線機能を持っているもののほとんどは2.4GHz帯を使う規格です。また,最近では家電やプリンタは無線LANをサポートしていますが,このほとんどが2.4GHz帯を利用しています。このため,マンションでは基本的に干渉しまくっているという状況にあります。
5GHzを利用する「IEEE802.11a」は2.4GHzに比較して電波が減衰しやすく遮蔽物に弱いという弱点はあるものの,機器の普及としてはまだまだという状況ですから隣の部屋と干渉する可能性は低い状況にあります。それに(遮蔽物に弱いということは,それがそもそも隣の部屋との干渉を防いでくれていると捉えることもできます。隣の部屋との壁は厚いですからね。
2.4GHz帯は干渉しやすい状況にあることと,日本のマンション程度の大きさを考えた場合,(現在時点では)5GHz帯を利用するのが良いでしょう。ふと手元のスマホを確認したところ2.4GHzでの接続になっていたので,5GHzに設定し直したところ接続の安定性が体感で向上しました。(5GHzで接続しているものとばかり思い込んでいました・・・)
■ポイント2 設置場所を変更しよう
外部アンテナを備えていない無線ルータにおける電波は水平方向および下方向に飛ぶものが多いようです。そういったわけで,できるだけ高いところに設置するのが良いでしょう。また,できるだけ部屋の全体に行き渡るように部屋の真ん中に設置するのが理想です。ただし設置しようとするとモデムから物理距離が長くなりがちなので,長めのLANケーブルを事前に用意しておきましょう。筆者は5mのLANケーブルを引き回して壁に固定しました。
※もし外部アンテナ付き無線ルータの場合は,アンテナの方向を調整することで電波の届く範囲を調整することができますので,設置場所の高さはあまり関係ないかもしれません。
■ポイント3 無線機器を減らそう
加えて室内の無線機器を減らします。最近のTVおよびAVアンプ,ブルーレイプレイヤー,プリンターなどは無線の機能を持っていますが,特に移動させたりしないのであれば有線接続で問題ないでしょう。この考えから無線を有線に切り替え,室内の機器数を物理的に削減しています。これで機器間干渉は改善されているはずです。
■改善効果(体感)
これまでスマホは接続が不安定で,またDoropboxの内容の同期もとても時間がかかっていたのですが,これが大きく改善されました。いまのところ接続が不安定になることもありません。また,5GHz帯で接続しているノートPCについてもリンクが強くなりました。ノートPCは風呂場に持ち込むことも多いのですが,風呂場との距離も近くなったことでリンクが安定するようになりました。体感ベースといえども,全体的に改善されています。
■おわりに
今回は無線ルータの電波状況の改善に取り組んでみました。面倒くさかったのはケーブルの引き回しだけでしたが,大きく改善されました。普段無線ルータを床に直置きしたりしている方もいるかと思いますが,それを高いところに置くだけでも電波状況は改善する可能性が高いです。簡単に取り組めますのでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。