「マインドマップから始めるソフトウェアテストAdvent Calendar 2015」 の22日目です。
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今回は,第IV部Chapter11「まとめ ~テスト現場でマインドマップを使うために~」を取り上げます。いつものように読む上で注目して欲しいポイントと補足をします。
※ご注意:本Advent Calendar はあくまで池田の個人企画です。
■あらためてソフトウェアテストにおける作業の全体像とつながりを押さえてほしい
本Chapterは全体をとおしてのまとめとマインドマップを現場に入れるためのあれこれについて補足をしています。読者の皆さんにお願いしたいのは,ここであらためてテストにおける作業の全体像を整理して欲しいということです。
作業をテストプロセスをベースにChapterとして区切り,それぞれに解説をしましたのでそれら個別の(塊の)作業は理解できていると思います。ですが,それらのつながりについては解説していません。例えばテスト設計のアウトプットがどのようにテスト実装のインプットとなっているのか,テスト実装をうまくやるためにそれ以前にどのようなことが行われていないといけないか等,さらに有機的な活動とするためには検討するべき事があります。このあたり,是非ディスカッションしていただければと思います。
■現場にマインドマップを導入するのは言うほど簡単ではない
さて,これまで解説してきたようにこのマインドマップから始めるソフトウェアテストという書籍はマインドマップがメインではなくソフトウェアテストがメインの書籍です。ですからマインドマップそのものについてはそれほど解説していません。
ただし,マインドマップを適用することを前提に,さらに言えば現場でマインドマップを使ってもらえるように,その当時でのノウハウをいくつか紹介しています。このノウハウは筆者の体験に基づいたものです。筆者はどちらかというと堅い社風を持つ企業に所属していましたので,マインドマップを使っている姿はまわりにはとても異様な光景のようでした。従って無用な誤解を生んだりすることもありました。現在はマインドマップはよく知られるようになりましたのでその心配は少なくなったと思いますが,それでも完全にないとは言えないでしょう。ですので,挙げた項目について読み飛ばさずに,ご確認いただければと思います。本書では次の5つを紹介しています。
- マインドマップはプライベートなツールであることを意識する
- 新人の指導用ツールと視点お利用する
- マインドマップを複数人で強雨する
- マインドマップを利王することの理解を得る
- マインドマップを描くことを目的としない
このうちもっとも重要なのは「マインドマップを描くことを目的としない」です。いつの間にか綺麗なマインドマップを描くことに集中してしまったり,マインドマップを描いただけで(内容が薄くても)作業をやった気になってしまうということには陥らないようにしましょう。ツールはツールなのです。また,当然ながらマインドマップを活用しようと思ったらマインドマップ自体を勉強することも大切です。その上でツールに振り回されないように作業の品質や効率を向上させるのが良いでしょう。
■さらにソフトウェアテストの品質を上げるために
本書ではテストの作業を解説してしてきましたが,テストの管理やテスト技法についてはほとんど解説していません。そこについてはp.206からのブックガイドを参考にしてほしいと思いますが,その書籍の情報も8年も経てば随分と古くなってしまいました。もちろん陳腐化しない書籍を選択していますが,これに加えられる書籍がないかを新たに考えるのもいい勉強になるでしょう。例えば次の2冊は加えて欲しいところです。
前者はテスト技法を学ぶのに最適です。そして後者はテスト含めたソフトウェア品質技術の全体像を学ぶのに最適です。
■おわりに
これまで約200ページを読み進めてきたわけですが,最初のほうの記憶は薄れ始めていると思います。是非,皆さんにおいても自身の読書のまとめをしていただけたらと思います。