ASTERオンラインセミナー vol.1 「テストの7原則」を公開しました

昨年の話となりますが、ASTER教育事業にてセミナー動画をYoutubeチャンネルにて公開する活動を始めました。

第一弾は「テストの7原則」です。

個人の教材としても、社内の勉強会教材としてもご活用いただければ幸いです。

こちらは、講師は武田さん、企画・スライド作成・動画編集は秋山さん、松谷さん、私で担当しています。こういった動画作成は全員が素人で、vo.1から手探りで進めていますが、今後もより良いものができるように勉強合わせ取り組んでいきたいと思います。

御覧になった方からは説明についてのフィードバックをいただいています。
視聴者と一緒により良いものにしていけたらと思いますし、スタッフも手探りで立ち上げた活動ですので、どうぞ温かいまなざしで応援いただければ幸いです。

なお、この活動に講師やスタッフとしてご協力いただける方はぜひご一報いただければと思い

単純なテスト(テストケース)が漏れたときの,テスト技術・プロセス改善のアプローチ

時々,コミュニティの活動でお会いした方にテスト技術の導入やテストプロセスの改善についての質問や相談を受けることがあります。なんとなく呟いてみたものの,少々反応が得られたので(つぶやき貼り付けレベルですが)記事にまとめておこうと思います。

これまであまりテスト技術や手法を技術として戦略的に導入してこなかったような現場においては,所謂「単純なテストが漏れる」という悩みが多いようです。出荷したりサービスが始まったりしたプロダクトが単純なバグにより社外で問題が生じた場合,テストを改善せよ,みたいな号令がかかることがあります。

そこでテストの改善ということになるわけですが,いきなり境界値分析がどうとか直交表がどうとかテスト観点ベースの技法がどうとかリスクベースがどうとかの話になったりします。しかしながら,先ほどの「単純なテストが漏れる」ということが起こっていた場合,いきなりそこに取り組んでも上手くいかないことが多いでしょう。

なぜならば,ベースとなる技術が導入されていなかったり,身の丈以上の技術を求めていたり,そもそもテスト技術の高度化やプロセス改善を軽んじている状況があり,そこに取り組めるだけの段階にはいないからです。

何事も一段ずつ上がっていくことが大切です。

とはいっても,どう上がっていけば良いかわからない方もいると思うので,一例を示します。

① まずは,仕様書の塗りつぶしチェックをきっちりやりきる
② 仕様書記載の仕様項目にIDをつけ,テストケースをテストケースIDと共に作り,それらを紐付けてトレーサビリティを確保する (仕様:テストケース=1:1)
③ テスト設計技法を使い,テストのケースを合理的に増やす (仕様:テストケース=1:n)
④ ③について量を把握し,多すぎるところは減らしたり,少なすぎるところは増やしたり,量を調整する(調整できるようにする)
⑤ 量が増えてくるとテストとしての全体像がつかみにくくなるので,全体を抽象化したモデルを作る 
⑥ モデルは作っただけでは無くリファクタリングなど行い洗練する
⑦ そもそもいきなりテストケースを作らず,テストの目的や狙いを意識したモデルを作るところから始めるようにする 
⑧ モデルベースのテスト分析設計手法を導入する(もしくは確立する) 
⑨ テスト設計・実装・実行・報告のプロセスを整備し,技術的につなぐ
⑩ テストウェアの品質を高めるために,テストのためのレビュー技術を導入する
⑪ それらと平行して,テスト管理技術やテスト自動化,エンジニアのトレーニングや育成なども実施する
⑫ 高度化や効率化によって作り出した時間や余ったお金を使って,さらにテスト技術や活動を高める
⑬ 以降,継続的改善に取り組む

「単純なテストが漏れる」ということが発端なので,以上のような感じですすめたらどうでしょうみたいな話をすることがあります。というか,先日そう答えました。

「単純なテストが漏れる」という場合,本来は①および②から取り組む必要がありますが,そういった悩みを持つ人はいきなり③以上のことをやりたがります。ここのところ研究や実践が活発だからという(その人達にとっては)キャッチーに見える⑧~⑪みたいなところを入れたいというような話をされることもあります。ですが,その前にやるべき事はいろいろあります。「手っ取り早く導入できてできてすごく効果ある技術教えてくれませんかね,あ,無料で使えるツールとかあると嬉しいです」なんて感じで聞かれることもあり,それは世の中にないから無理ですよ,と答えることもしばしばです。

さて,先ほど挙げた①~⑬は状況を限定しての進め方の一例でしかないです。自分たちが,どう技術力を高めていこうかねー,どう改善していこうかねーということを書き出し,先ほどのように整理して,関係者と合意取らないとダメだと思います。ただし,テストの技術導入が未成熟だと書き出すこと自体が難しい場合があります。どう改善したら良いか全くわからん!みたいなときはTMMIやTPI NEXTとかの参照モデルを上手く利用したら良いのではと思います。ただしTMMIやTPI NEXT の内容を理解するためには,ソフトウェアテスト技術の素養であるとか知識がある一定レベルで必要であるため,識者の力添えが必要だと思いますが。

以上,簡単にまとめてみましたが,「単純なテストが抜ける」という方は,まずはそれを抑えることにフォーカスした取り組みから始めてみてはどうでしょうか。塗りつぶしチェックを侮るなかれ,それなりに効果が出ます。それでも抜ける場合にはじめて様々なテスト手法・技法の導入に取り組んでみてはいかがでしょうか。

マインドマップから始めるソフトウェアテスト読書補助ガイドの公開

2007年に鈴木三紀夫さんと共著した書籍「マインドマップから始めるソフトウェアテスト」ですが,2016年8月17日にNaITE(長崎IT技術者会)のマインドマップから始めるソフトウェアテスト読書会SIG殿から読書補助ガイドが公開されました。

 「マインドマップから始めるソフトウェアテスト」の読書補助ガイド 第1.0版 を公開しま…

ガイドは無料でダウンロードが可能です。

本の補助ガイドというか,この資料だけでも十分に入門資料として役に立つと思いますので,これからテストを学ぼうとしている方は参照してみてはと思います。原書については約10年前の本となるので内容としてはもはや入手困難となっていますので,その代替ともなるかと思います。

本ガイドは非営利目的であれば,個人はもちろん企業内の勉強会でも利用可能ということなので,(無料ですし)是非ご活用いただくと良いと思います。

JaSST’12 Tokai 参加受付中

 JaSST’12 Tokai が参加受付中です。

★JaSST’12 Tokai
 http://jasst.jp/symposium/jasst12tokai.html
 日 時: 2012年11月30日(金) 10:10 – 18:40 (その後情報交換会)
 会 場: 刈谷市産業センター
 参加費: 5,250円(税込)から (情報交換会は別途3,150円)

 基調講演は湯本剛氏(日本HP)による「ソフトウェアテスト、一番最初にやるべき大事なこと
 -テストの目的をプロジェクトで共有する-」。

 ポスターセッションは11の発表が,経験発表はきょん氏(SCMBootCamp)による「アジャイルなテストの見積もりと計画作り」。テスト設計コンテスト東海予選やSIGも予定されています。

 また,チュートリアルとして森貴彦氏(JaSST’12 Tokai 実行委員会),名野響氏(JaSST’12 Tokai 実行委員会)による「【テスト1年生シリーズ】はじめてのテスト技法 -テスト技法でバグ退治-」も。

 実にバラエティに富んだ内容となっており,東海地域のみならず近郊の地域の方々にもおすすめです。

タイムテーブルはこちら。
http://www.jasst.jp/symposium/jasst12tokai/timetable.html

Call for papers : JaSST’13 Tokyo

気がつけば8月! 夏と言えば論文だ!

というわけで(どんなわけだ),来年1月に開催予定のJaSST’13 Tokyo の論文募集を開始しました。
ソフトウェアテストに関する有益な研究や事例をお持ちの方は是非ふるって投稿ください! 沢山の投稿をお待ちしてます!!!

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ソフトウェアテストシンポジウム2013東京
JaSST’13 Tokyo: Japan Symposium on Software Testing 2013 in Tokyo
http://jasst.jp/
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                     Call for papers  論文募集
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続きを読む Call for papers : JaSST’13 Tokyo

JaSST’12 Shikoku, Kanasai, Hokkaido 開催告知

 早いもので,来週は7月。
今週末はソフトウェアテストに関する勉強会合宿「WACATE2012夏」が開催されますが,シンポジウムであるJaSSTも各地で開催される予定で,来月以降のJaSSTのスケジュールが発表されています。

★JaSST’12 Shikoku
 http://jasst.jp/symposium/jasst12shikoku.html
 日 時: 2012年7月13日(金) 13:00 – 17:40 (別途情報交換会)
 会 場: 香川大学研究交流棟5階 (香川大学教育学部キャンパス内)
 参加費: 2,100円(税込)(情報交換会は別途4,000程度を予定)

 東大輔氏(日本ノーベル)によるセッション「もはや自動化しかないのだ! ?テストツールの最新情報?」と高木智彦氏(香川大学)によるワークショップ「Model-Based Testing入門 ?グラフによる振舞いの抽象化とテストケースの設計?」を予定。現在参加受付中。

★JaSST’12 Kansai
 http://jasst.jp/symposium/jasst12shikoku.html
 日 時: 2012年7月25日(水) 10:00 – 18:10 (別途情報交換会)
 会 場: クリエイターズプラザ(大阪府 東大阪市,クリエイション・コア東大阪 南館3F)
 参加費: メインセッションのみ   ¥5,250 (税込)
      メインセッション+チュートリアル   ¥8,400 (税込)
      情報交換会     ¥3,000 (税込)

 飯塚悦功氏(東京大学)による基調講演「現代のソフトウェア技術者に贈る言葉 ?成熟経済社会の顧客価値提供におけるProfessionへの期待?」,鈴木三紀夫氏によるチュートリアル「テストエンジニアのための要求分析入門 ?次世代テストエンジニアを目指すあなたへ?」など。現在参加受付中。

★JaSST’12 Hokkaido
 http://jasst.jp/symposium/jasst12shikoku.html
 日 時: 2012年10月26日(金) 10:00 – 18:10 (別途情報交換会)
 会 場: 札幌市教育文化会館(北海道・札幌市)
 参加費: シンポジウム  3,990円(税込)
       情報交換会    無料

 森崎修司氏(静岡大学)による基調講演,原佑貴子氏(日本アイ・ビー・エム)によるレビューに関するチュートリアルなど。詳細は後報。

 ここ数年各地域のJaSSTに足を運べていないので,是非とも行きたいのですが7月は事情あり無理。
そうすると10月のHokkaidoかなぁと考え中です。久々に大学にも顔を出したいなぁ。

JaSST’12 Tokyo 記事リンク集

JaSST’12 Tokyo も無事終了しました。
今年はJaSST生誕10周年ということで,例年に増して盛り上がったように感じられます。
記念としてJaSST10周年記念誌やDVDも発行され,今読んだり観たりしている方も多いのではないかと思います。

私はというとDVDを書い逃してしまい,激しく落ち込んでいます。うぅぅ。(涙)

さて,早速JaSST’12 Tokyo の記事も掲載され始めているようですので,見つけたものを掲載しておきます。
新たに見つけたら随時追加していきますね。

■JaSST’12 Tokyo
 公式サイト

■メディア記事
 【JaSST】来場者がつくるテスト技法マップ、「たぬきの皮算用テスト」なども
 【JaSST】アルプス電気、モデル駆動開発にSILSベースのテストを導入
 【JaSST】東芝のソフトウエアFMEAの取り組み、「観点リスト」を改善
 【JaSST】「Microsoftはどのようなテストをしているのか」、同社のテスト技術者が基調講演
 マイクロソフトのテスト環境はどう進化したか?-ソフトウェアテストシンポジウム 2012基調講演レポート
 【JaSST】USDM記述のソフト要求仕様にHAZOPを試験適用、日立が発表
 Microsoftは膨大な数の不具合に「トリアージ(緊急度判断)」で対応 ―― ソフトウェアテストシンポジウム 2012東京(JaSST’12 Tokyo)(1)
 マイクロソフトの責任者が語る「われわれはどのようにソフトウェアをテストしているか?」JaSST’12 Tokyo
 マイクロソフトでは「開発プロセスのすべてにテスターが関与している」 JaSST’12 Tokyo
 みんなはどんなテスト技法を使っているの? JaSST’12 Tokyo
 ソフトウェアテストの30年前と30年後(前編)テストの根幹は30年前に書かれた JaSST’12 Tokyo
 ソフトウェアテストの30年前と30年後(後編)30年後のテスト技術、期待を込めた予想 JaSST’12 Tokyo
 ソフトウェアテストの近未来を話そう(前編)?テストと開発の融合が必要 JaSST’12 Tokyo
 ソフトウェアテストの近未来を話そう(後編)?テストプロセスには魂が必要だ JaSST’12 Tokyo

■Togetter
 JaSST’12東京 Wモデルセッション – Togetter

■日記,blog等
 shimashimaの日記: [etc][品質]JaSST’12 Tokyoへ参加してきた
 JaSST’12 Tokyo でのセッション資料を動画で公開!パワポ職人芸と共に。
 事務局ブログ – JassT’12 東京/Jazzユーザコミュニティ
 JaSST’12 Tokyoに参加してきた
 テスト設計コンテストに参加しました!